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導入事例 5 min read

採用のためのホームページから、社内IT を引き受けるまで

大田区久が原で電気工事と家電販売をされている有限会社たかはし電器で、ウェブサイトの制作から販売管理システムの導入、業務用パソコンの入れ替えまでを担当しました。一件ずつ依頼をいただいた結果、支援の範囲が広がっていった事例です。

「採用を進めたいので、ホームページを作りたい」

そんな相談をいただいたのが、2026年5月のことでした。

有限会社たかはし電器。東京都大田区久が原で、電気工事と家電販売をされている会社です。社内にシステムを見る人はいません。

そこから一年かけて、ウェブサイト、販売管理システム、業務用パソコン、Microsoft 365 と、社内IT を一つずつ引き受けることになりました。最初からそういう話だったわけではありません。一件ずつご相談をいただいた結果です。

何をどう決めていったのか、順に書きます。

有限会社たかはし電器の店舗外観

採用のためのホームページから

きっかけは採用でした。人を採りたいけれど、会社のことが外から分からない。だからホームページを作ろう、という話です。

制作会社に見積もりを出したそうです。ただ、金額が合いませんでした。それでうちに相談が回ってきました。

正直な理由だと思います。町の電気工事店にとって、ホームページは投資として大きすぎるのに、無いと採用が始まりません。この状態で止まっている会社は多いはずです。

手書きの見積と、記憶に頼る設置履歴

サイトは Astro と EmDash で作りました。現在は taka-den.net で公開しています。

文言も施工事例も、管理画面から社内で編集できます。文字を一つ直すために制作会社へ依頼する必要はありません。検索対策もひととおり済ませました。構造化データ、サイトマップ、OGP に加えて、生成 AI 向けの llms.txt も置いています。

ここまでは、当初の依頼の範囲です。

ただ、事務所に通ううちに、別のことが気になりました。

見積は手書きでした。過去にどの機器をいつ納めたかは、担当者の記憶の中にあります。点検や買替の案内は、思い出したときに出しています。

弥生販売は使われていました。よくできたソフトです。ただ、電気工事の業務がそのままは入りません。汎用の販売管理ソフトはどの業種でも使えるように作ってあるので、業種に固有のものは自然と抜けます。

サイトを直しても、この状態は変わりません。

やりたいことの洗い出しから生まれた販売管理システム

そこで、業務を一から伺いました。

何に困っているかではなく、本当は何ができたらいいかを聞きました。制約を外して、やりたいことを全部出してもらう。出てきたのは、こういうものでした。

  • 設置した機器の型番と設置日を残したい
  • 経過年数を見て、点検や買替の案内を出したい
  • 原価を工事の単位で見たい
  • 現場からの報告を、その場で入れたい

これがそのまま、電気工事向けの販売管理システムの機能一覧になりました。

一社の業務を深く聞くと、その業種に共通する部分が見えてきます。設置履歴から点検を案内する商習慣は、たかはし電器だけのものではありません。電気工事業なら、どこでもやっていることです。

だからその会社のためだけに作るのではなく、業種向けのソフトウェアとして作りました。導入費用と月額でお使いいただいています。同じ内容をゼロから受託で作れば、数百万円かかる規模です。

やりたいことは全部できた、という言葉をいただきました。

完成品と同じ価格帯で組んだパソコン2台

システムを入れた流れで、事務所のパソコンについても相談をいただきました。動作が重く、業務に支障が出ていました。

まず法人向けの完成品を調べています。Dell Pro Micro が Core i5-14500T とメモリ 8GB、SSD 256GB、Windows 11 Pro の構成で 106,080 円でした。メモリを 16GB にして、起動用の M.2 SSD を足すと 11 万円前後になります。

同じ価格帯で、用途に合わせて 2 台組みました。

  • CPU は AMD Ryzen 5 5500GT の 6 コア 12 スレッド
  • メモリ 16GB
  • 起動ドライブに M.2 NVMe SSD
  • データ用に SATA SSD 256GB
  • OS は Windows 11 Pro のリテール版
組み上げた業務用パソコンの内部

完成品と変えた点が 3 つあります。

ドライブを 2 本に分けました。完成品は 1 本が普通ですが、分けておけば OS を入れ直すことになっても業務のデータは残ります。

Windows はリテール版にしました。メーカー製に付属するライセンスは本体に紐づきます。リテール版なら、本体が故障したときに別の筐体へ移せます。

増設できる構成にしました。メモリもストレージも後から足せるので、業務が増えても本体ごと買い替える必要はありません。

価格そのものは完成品と大きく変わりません。違うのは、届いた箱を業務で使える状態にするまでの作業が入っている点です。旧環境からのデータ移行、プリンタの設定、業務システムへの接続まで済ませてお渡ししました。1 年間の保証も付けています。

人が増える前提のアカウント設計

あわせて Microsoft 365 を導入しました。

Google Workspace ではなく Microsoft 365 にしたのは、Excel を使いたいという要望があったからです。Web 版だけで足りるなら、もっと安いプランもあります。ただそれでは、これまで作ってきたファイルが扱いにくくなります。デスクトップのアプリが使えるプランを選びました。

プランは Business Standard で、Teams を含まないものにしています。使わないものに毎月払う必要はありません。

メールも移行しました。それまでは Hotmail のアドレスをお使いでした。採用のためにホームページを作る、という最初のご相談を踏まえると、ここは変えておくべきところです。会社のドメインでメールを受け取れる形にしました。

パソコンのログインも、このアカウントに統一しています。

これは採用を見据えた判断です。最初の相談が人を採りたいという話だったので、増えたときに破綻しない形にしておく必要がありました。人が増えるたびにパソコンごとの設定を触るのは現実的ではありません。アカウントを作れば済む形にしてあります。人が抜けたときも、アカウントを止めればパソコンごと使えなくなります。

基幹システムを組むほどのことはしていません。基準にしたのは 2 点だけです。データを失わないことと、人が増えても運用が破綻しないことです。

情シスのいない会社の社内IT

一年を振り返ると、やったことはこうなります。

  • ウェブサイトの制作
  • 電気工事向け販売管理システムの導入
  • 業務用パソコン 2 台の構築とデータ移行
  • Microsoft 365 の導入、メール移行、アカウント設計

手作業が消えたというより、できることが増えた、という方が近い状態です。

そして一つはっきりしていることがあります。この会社には、これらを相談できる相手が社内にいませんでした。

社内にシステムを見る人がいない会社は、困っていないわけではありません。何から手をつければいいか分からないだけです。ホームページの見積もりが高くて止まる。販売管理ソフトが業種に合っていないけれど、代わりが分からない。パソコンが重いけれど、何を買えばいいか判断できない。

一つずつなら、引き受けられます。

同じような状況でしたら、まずは現状を伺うところからご相談ください。